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2024-03

小細胞肺がん

 もう2年も経つが、ちょうど昆虫たちが騒ぎ出すこの季節に母親の肺がんが見つかった。
ちょうど入院手続きの初日に立ち会うことができて、両親の背中を見つめながら、なぜか2人の後姿を写真でおさめた記憶がある。

肺がんは大きく、小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分けられ、全体の13~15%を占める小細胞肺がんは少数派といえる。特徴としては、速く進行し、全身に転移しやすいこと。
つまり、がん増殖のスピードが速い=悪性度の高いがんなので、発見されたときには、すでに遠隔転移(離れた臓器への転移)を起こしていることが多い。
なかでも、脳や中枢神経系への転移が多いことで知られている。

母親の場合、がんの全体像が分かった時にはリンパには転移しており、僕も立ち会った医師との面会では余命約1年の宣告が出た。

当時、パソコン音痴の僕でも肺がんの情報を集めるだけ集め、闘病記などのブログを見つけてはお気に入りに登録して、
更新の度に読んでいた記憶がある。
しかし、この2年の間に3人の闘病記を勇気をもって書かれていた方、みなさんが残念ながら亡くなってしまった。
自分の中では勝手ながら片思いというか、影ながらの応援と、情報に感謝していたので、少なからずダメージにもなった。

僕は特殊な考え方を持っていると自覚しているが、その一部として、人間の寿命は決まっている。というのがある。
それは決まっているのはわかっているけれど、いつの時期か分からないから、もがくことも必要だ。
それは本人の周りにいる人間ももがく必要があって、その結果がどうであれ、もがきの学びが確実にあるのだ。

もがいてはいるが、このやっかいな肺がんが完治したという明るい情報はなかなか見つからない。
この文章がJEWELとは関係なく小細胞がんに関して、情報を求めている当時の僕のような方が見ていただいたらどうか諦めないでもらいたいと思う。

小細胞がんに特化したブログを僕は書ける情報もなく、本当に申し訳なく思うが、結果としてあの夏から2年後の今日現在に至っては母のがんは姿を消した。
小細胞がんに関して知っている方からすると2年というのはとてつもなく長い時間で、5年生存率なんていう言葉はあまり聞かれない。

いつか、JEWELのお客さんから言われた言葉がある。
その方も10年前にほぼ全身にがんが回った方から言われた言葉であるが、「どんなに転移が進んでも諦めないで治療しなさい。どの薬が効くかはわからなから、とにかく諦めないことが大切よ」。

結果がどうなろうと、本人や周りの方が悩み、もがく事は本当に宝物だ。
残念な結果になろうと、乗り越える先には、何か目に見えない宝物が残っているに違いない。

この先も小細胞がんとの闘いは続くが、おおいにもがこうと思う。

治療効果がなかったり、体調が最悪な場合のモチベーションは当事者しか分かりえなく、僕なんかが言うのも変だけれど、ホスピスの選択や薬の選択など、どの道に進もうが、間違いはないと思う。

小細胞肺がんになった方やそのご家族がもしこの事実を知ってくれれば、発覚から2年後にも元気な姿で孫の世話をする母の姿がある事実を知ってもらえば、少しの光が見えてくれると信じています。


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